神大ロー2021年(令和3年)度入試 刑法 再現答案 感想

※注意

このブログは正しい答案、皆さんの参考になるような答案を投稿するものではなく、大した学力もないただのロー受験生がどの程度の答案を作るのかを参考にしてもらうためのブログです。よって内容の正確性は全くないですし、どのように間違えたか、などの話をしています。

詳しくは最初の投稿へ⇒https://adc32104766.hatenablog.com/entry/2020/11/19/225344

 

答案の書き方で直した方がいいと思う点があれば指摘してください!

 

 

 

刑法 解答用紙4枚目の一行目

 自己評価△

 (第3問のみです)

 とにかく論証を短縮することを意識しました。それでも全然短くなっていないので反省です。

 神大は第2問(説明問題)が難しく配点もそこそこですが、年によってみんなできるものや、一部の人しかできんやろな―みたいなものがあるので特別対策しませんでした。

 今年の第2問は全く分からず、正解筋すらわかりませんでした。

 窃盗の実行の着手について、よく考えたら電気屋さん事例(と勝手に呼んでいます)を書いたことはなかったので、論述ががたがたです。

 

第1 甲の罪責

甲の、乙が経営する宝飾店での侵入窃盗を試みたが失敗し、乙から逃走するために乙を殺害しようと包丁をもって乙に突進したが、殺害し得なかった行為について

(1)この行為に強盗殺人未遂罪(刑法(以下、法名省略)243条、240条)が成立しないか。

(2)まず、甲は事後強盗(238条参照)であるとして「強盗」(240条)といえないか。

ア、甲は「窃盗」といえるか、窃盗の「実行に着手」(43条)したといえるかが問題となる。

 実行行為とは構成要件的結果発生の現実的危険性を有する行為をいうところ、かかる危険性の発生が認められる場合に「実行に着手」したといえる。したがって、実行行為がなくとも、これに密接した、客観的危険性を有する行為があった時点で「実行に着手」したと評価する。また、妥当な結論を導くためには、実行者の計画も考慮して危険性の判断をすべきである。

 窃盗の実行行為たる「窃取」とは、財物の占有を占有者の意思に反して自己又は第三者に移転させる行為をいうところ、甲は宝飾店に侵入後レジの方に5メートルほど歩き始めている。甲は当初、宝飾店において何かしらを盗む計画であったが、侵入後現金を得たいと考えていること、23時頃は通常の宝飾店であれば営業時間が終了しており乙以外の従業員や客はいなかったと考えられるところ、侵入当時乙が仮眠室で仮眠しており他に甲の犯罪の遂行に関する障害がなかったことにかんがみれば、侵入した時点で宝飾品等の占有移転の危険が発生しているということはできないが、レジに向かって5メートルほど歩き始めた時点で現金の占有移転の危険性が発生しているということができる。よって、この時点で「実行に着手」したといえる。

 甲は乙に発見され現金を盗むことはできなかったが、「窃盗」は未遂既遂を問わない。したがって、甲は「窃盗」である。

イ、「暴行又は脅迫」とは、客観的に人を反抗抑圧する程度のものを言うと解する。また、これは窃盗の機会に行われたものでなければならない。窃盗の機会に行われたといえるか否かは、時間的場所的接着性を基礎に、犯人に対する追及が継続していたか否かで判断する。

 甲が持っていた包丁は刃渡り15㎝のものであって、殺傷能力が高く、このような包丁で人を切りつければ大量出血を伴うものといえる。よって、このような包丁を振り回しながら突進する行為は客観的に見て人を反抗抑圧する程度ものといえる。

 たしかに、乙に発見されてから5分ほど逃走し、乙も甲を見失っているから、上記暴行が窃盗の機会に行われたとはいえないとも思える。しかし、5分間の逃走では距離的にも宝飾店からそれほど離れているとは考えられない。また、甲が身を隠したのは路地の行き止まりであって、乙は甲を見失っても未だ近辺にいると予想し付近の路地を捜索していることから、いずれ甲が発見される蓋然性は高いということができ、甲に対する追及はいまだ継続しているものということができる。よって、暴行は窃盗の機会に行われたといえる。

 したがって、「暴行又は脅迫」があるといえる。

ウ、甲は乙を殺して逃走するほかないと考え暴行を行っているから逮捕免脱目的がある。

エ、甲は上記の事実を認識・認容しているから、故意(38条1項)もある。

(3)よって、甲は事後強盗であるといえ、「強盗」である。

(4)240条は人の生命・身体の保護を重視しようとしたものであるから、殺害行為は財物の占有移転の手段とされた行為である必要はない。しかし、強盗の機会に行われなければならない。もっとも、処罰犯意の適正化の観点から、強盗と密接に関連した行為であることを要する。

 甲は、逃走のためには乙を殺すほかないと考え殺害行為に及んだのであって、かかる行為は現場離脱のために行われた行為であるから、強盗と密接な関連性を有する行為であるということができる。

(5)しかし、甲は乙を殺害できなかったから、「実行に着手してこれを遂げなかった」(43条)といえる。

(6)甲は殺意を有するが、上記の240条の趣旨にかんがみれば、240条は殺意ある場合にも適用できると解するべきである。

(7)以上から、甲は強盗殺人未遂罪の罪責を負う。

第2、乙の罪責

 

ごめんなさいここでやる気失せました 

 記憶では、

 第1行為⇒正当防衛成立、第2行為⇒(問題提起後構成要件充足性検討前に)行為の一体性否定(ここの検討をする理由は述べるべきと考えています、今回は過剰防衛と評価すべきではないか、と問題提起)⇒傷害罪成立

 だった気がします。

神大ロー2021年(令和3年)度 憲法 再現答案 感想

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答案の書き方で直した方がいいと思う点があれば指摘してください!

 

自己評価:〇 

追記:14点=3割未満でした。ゴミ答案の例だと思ってください。

 

感想

神大の入試は時間がタイトな点で難しさがあり、とくに憲法刑法においてその特徴が表れていると感じます。問題を見たときに刑法は(私が刑法が苦手であることも考慮して)相変わらず時間がかかりそう、一方で憲法は(本当にそうかはわかりませんが)南九州税理士会事件ままの問題と感じたことから、憲法を論証ペタッと貼るだけの完全に守る答案にして、時間を短縮する作戦で行こうと決めました。そのため、憲法は答案構成を合わせて35分弱くらいで、薄めの答案を書きました。

南九州税理士会事件は①「目的の範囲内」か?②範囲内だとしてもそのような協力義務を課すことは公序良俗違反ではないか、の2段で検討するものと考えています。この事案は違法違憲、合法どちらでも行けそうですが、時間短縮のため違憲にしました。

もともと南九州税理士会事件パターンの問題はあまり好きではなかったですが、京大の過去問が解けなかったときにやっとかんとまずいなと思って論証を理解しておいたので助かりました。論証はAGの論証集を覚えてペタッと貼っただけです。ペタッとが好きです。

 

再現答案 35分、答案用紙2枚目の半分まで

 

1、私は、A県弁護士会が本件決議を多数決で決定し、A県弁護士会の名で公表すること(以下、「本件公表」とする。)は、本件決議に反対する会員の思想良心の自由(憲法19条)を侵害し違憲であると考える。以下、その理由を述べる。

2、(1)前提として、法人たるA県弁護士会は「目的の範囲内」で自由に行動することができる(民法34条)ところ、本件公表がA県弁護士会の「目的の範囲内」にあるならば、本件決議に反対する会員に対しても本件公表に協力するよういわゆる協力義務を課すことができるから、本件公表は「目的の範囲内」の行為として19条に違反するとは言えないと解する。

(2)そこで、本件公表が「目的の範囲内」かどうかが問題となるが、これは①当該法人の目的、性質、②強制加入性の有無、③問題となる基本的人権の性質など諸事情を総合的に考慮して判断する。

 ①弁護士会は目的が「…弁護士及び弁護士法人の指導、連絡および監督に関する事務を行うこと」(弁護士法31条)と法律で定められており、またその設立も法律によって定められている。そうすると、「目的の範囲内」か否かはある程度厳格に考えなければならない。

 また、②弁護士又は弁護士会でなければ「報酬を得る目的で訴訟事件…その他一般の法律事件に関して…法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができ」(弁護士法72条)ず、弁護士になるには弁護士会に入会する必要があるところ、弁護士として活動する者は弁護士会から脱退すれば弁護士として活動することはできないという重大な不利益を被る。そうすると、実質的には強制加入性があるといえる。よって、このようなA県弁護士会には様々な思想を持つ人物が所属することが想定され、これに伴い会員に課すことができる協力義務の範囲も狭くなるというべきである。

 ①、②のことにかんがみても、A県弁護士会の会則には、総会の審議事項の一つとして「…行政に関する事項であって、基本的人権の擁護…のために必要な事項」が挙げられており、「総会に於ける議決は、出席会員の議決権の過半数を以て定める」とされているところ、A県知事たるBの行政上の判断である本件不支出決定がCに所属する芸術家の表現の自由という基本的人権が侵害している恐れがあるという場面において、これに対する声明を多数決で決定していることは「目的の範囲内」であるかとも思える。

 しかし、本件決議はA県知事選挙で当選した知事Bの政治的判断である本件不支出決定の是非について意見を述べるものであって、問題文における本件決議の①~③を全体的に見ればかかるBの知事としての資質につき意見を述べるものであるということができる。そうすると、③選挙で選出された知事につきその資質を評価することは、選挙における投票の自由と表裏をなすものであって、会員各自が自らの思想・良心に従い決定すべき事項である。よって、このような事項につき多数決原理によって本件決議を行い、A県弁護士会の名で本件公表を行うことは「目的の範囲内」ということはできないというべきである。

3、このような理由から本件公表は、A県弁護士会の会員の思想良心の自由を侵害するものといえ、憲法19条に違反するといえる。

以上

神大ロー2021年(令和3年)度入試 会社法(商法)再現答案 感想

 

 

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自己評価:◎

 

感想

 問題見た瞬間「重問やん」って思いました。答案を書く時間も最低限確保しておけば大丈夫だろうと思ったので、最後に解くことにしました。

 この問題は解法(1、定款が法令違反ではないか、そうでなくとも適用排除すべきではないか、を検討する)を知っていれば解ける問題だと思います。

 僕自身何度か解いたことがあり、この問題はあてはめで差がつくのかなと思っていたので、あてはめを重視しました。

 ただ、弁護士ならよくみるんですが、今回は税理士です。税理士法(あるんかな?)が六法に載っていなかったので、どこまで弁護士と同じ議論が妥当するのか少し不安がありましたが、多少外しても大丈夫だろうと思い攻めました。

 

 

再現答案 答案3枚目の1行目、所要時間45分

 

1、Xは令和元年5月20日に開催された本件総会において、Xの議決権行使の代理人として選任したAが入場を拒否され、議決権行使ができなかったことは「決議方法」が「法令」に違反する、または「決議の方法が著しく不公正」であるとして、本件訴えを提起し、本件総会の決議を取り消すことを請求するものと考えられる(会社法(以下、法名省略)831条1項1号2号)。

2、XはY社の株主であるから「株主等」であるといえ、本件総会は令和元年5月20日に開催されたところ、本件訴えは同年6月5日に提起されているから、「3箇月以内」に提起されたといえる。よって、本件訴えは適法に提起されたといえる。

3、取消事由の有無につき検討する。

(1)そもそも議決権行使の代理人を株主に限定するというY社の定款(以下「本件定款」とする)は310条に違反しないか。

(2)310条は、株式会社の実質的所有者である株主が会社の意思決定に参加することができる唯一の機会である株主総会において、株主の議決権行使の機会を確保しようとした点にある。もっとも、310条も議決権の代理行使につき、一切の制限を禁止する趣旨ではなく、合理的根拠に基づく相当程度の制限を付することは許容するものと解される。

 本件定款の目的は、株主以外の第三者が総会に参加し、議事が撹乱されるおそれを防ごうとした点にあるから、合理的根拠はある。このような制限は我が国の慣習となっているから、制限の程度も過剰なものとはいえない。よって、本件定款は合理的根拠に基づく相当程度の制限として許容されるから、310条に違反しない。

(3)もっとも、上記の310条の趣旨および本件定款の目的にかんがみれば、株主以外の者による議決権の代理行使を認めても総会の議事が撹乱されるおそれがなく、代理行使を認めなければ当該株主の議決権行使の機会が奪われてしまうような特段の事情があるときは本件定款の適用を排除し、代理行使を認めなければならない。

 Aは税理士であるところ、Aは設立及び目的が法定されている税理士会に所属し、法律や税理士会の目的、会則に従って行動する必要があり、またXとの契約に基づく任務を忠実に果たす必要があるところ、Aが株主総会に参加しても議事を撹乱するおそれはないとも思える。しかし、税理士はその職務内容の特性上、自身の才覚に従って広範な裁量の下で職務を執行することが予定されており、税理士とその契約の相手方であるクライアントの関係は企業における上司と部下のような強力なコントロールが及ぶ主従関係があるとは言えない。そうだとすれば、Aが、XがAに議決権行使の代理権を授与した趣旨に反する行動をとるおそれがないとはいえず、Aが総会に参加することで議事が撹乱されるおそれがないということはできない。

 また、Y社が上場会社、すなわち公開会社(2条5号)であるところ、日本の公開会社の定時株主総会の開催が5月から6月に集中することから、Xが他の公開会社の株主であり、他の会社の株主総会に出席しようとしていた場合には、代理行使を認めなければ議決権行使の機会が奪われるとも思える。しかし、本件株主総会に一切Y社株主が参加しないという事態は考えられないから、本件総会に参加する株主に議決権行使の代理権を授与することもできた。Xが他のY社株主に代理権を授与することが困難といえるような事情も窺われない。そうだとすれば、Aによる議決権の代理行使を認めなければXに議決円行使の機会が奪われてしまうとも言えない。

 よって、本件において上記のような特段の事情があるとはいえないから、本件定款の適用を排除しなければならないとはいえない。したがって、本件定款を適用したことは310条に違反するものではなく、そのほかの法令に反するとも考えられない。

(4)また、「決議の方法が著しく不公正」な場合とは、決議の方法が法令に違反するとはいないが、社会通念上の正義に反するような場合をいうところ本件定款による制限が合理的根拠基づく相当程度の制限であることにかんがみれば、「決議の方法が著しく不公正」とは言えない。

4、以上から、本件総会における決議には取消事由があるとは言えない。よって、Xの本件訴えにかかる請求は認められない。

以上

神大ロー2021年(令和3年)度入試 民法再現答案 感想

 

 

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答案の書き方で直した方がいいと思う点があれば指摘してください!

 

 

(条文の「ーーー」となっているところは、再現答案を作成するときに手元に六法がなかったため省略しており、そのままにしています。)

 

自己評価:△

 

感想

 最初に問題文読んだときは、ついに代理と詐欺がきたか??と思いましたが、ただの代理権の濫用でした。簡単だなあと思った反面、書き方の稚拙さでめっちゃ減点されるんだろうなと思いました。つまり僕は終わり。あと量が少なくて論点落としてそうで怖いなとも思いました。

 最後の背信的悪意者のところでもう少し詳しく場合分けをするべき(背信的悪意者とは何か、具体亭にはどういう時にDが背信的悪意者に当たるのか)かと思いましたが、めんどくさくなってしまって書けませんでした。よくない癖です。

 

第2問は正解がよくわかりません、本当に参考にならないです。解除にいきなり飛びついてしまいましたが、契約不適合から解除を準用?する(564条)べきだったのかなと友達と話していて気づきました。

あと、一部解除で何円払わなくていいか、って計算するときに甲はセット割引がかかっていることに最後に気が付いて、単純に30万円ではないのかもしれないな、と思いましたが時間の都合や、めんどくさいなと思ってしまい書きませんでした。まじでよくない。

 

再現答案

 

第1問 1枚と3分の2くらい

1、①について

(1)CはDに対して、甲土地の所有権に基づく物権的請求たる妨害排除請求としての甲土地明け渡し請求をするものと考えられる。この請求が認められるにはCが甲土地の所有権を有することが必要であるが、Cは、BがAの代理人(民法(以下法名省略)99条1項)としてCと結んだ本件売買契約(555条)によって甲土地の所有権を取得したと主張することが考えられる。

(2)これに対してDは、Bの行為は代理権の濫用(107条)にあたり、CはBが売却代金を自己の借金返済に充てるという私的な目的を有していることを知っていたため、「---

」といえ。無権代理行為としてみなされることから甲土地の所有権を取得しないと反論することが考えられる(113条1項)。

 BはAから2020年8月10日にAのために甲土地を売却する代理権を与えられているから、BがCと本件売買契約を締結したことは代理権の範囲内の行為である。しかし、上記の通りBはかかる代理権を、甲土地の売却代金を自己の借金返済に充てるという私的な目的を達成するために行使している。よってBがCと本件倍契約を締結したことは代理権の濫用に当たる。

 そして、問題文①から、CはBがそのような私的な目的を持っていることを知っていたのだから、「―――」といえる。よって、BがCと本件売買契約を締結した行為は無権代理とみなされる(107条)。したがって、本人たるAに効果帰属せず、Cは甲土地の所有権を取得しない。Dの反論は認められる。

(3)以上から、Cの請求は認められない。

2、②について

(1)Cは1(1)と同様に、Dに対して甲土地所有権に基づく物権的請求たる妨害排除請求たる妨害排除請求としての甲土地の明け渡し請求をするものと考えられる。

(2)これに対してDも1(2)と同様にBがCと本件売買契約を締結した行為は代理権の濫用にあたり、CはBが私的な目的を有していたことを知っていたため無権代理とみなされ、甲土地の所有権を取得しないと反論することが考えられる。

 Bの行為が代理権の濫用に当たることは②においても同等である。しかし、問題文②より、CはBが甲土地の売却代金を自己の借金返済に充てるという私的な目的を有していたことを知らず、知らないことにつき過失もなかったのであるから「―――」(107条)とはいえない。よって、Bの行為が無権代理とみなされない。

(3)そこで、Dは、Cが甲土地の所有権を取得するとしても、自己もAとの売場契約によって甲土地の所有権を取得するところ、Cは甲土地の所有権移転登記を具備していないから「第三者」(177条)たるDに所有権を対抗できないと反論することが考えられる。

 177条は、登記による公示を徹底することで、同一の不動産につき自由競争の枠内にある登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者が不測の損害を被ることを防止しようとする点にその趣旨がある。よって、「第三者」とは、当事者及びその包括承継人を除く、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者をいうと解する。そして単純悪意者はいまだ自由競争の枠内にあるから、「第三者」にあたる。他方で、登記の欠缺を主要することが信義則(1条2項)に反する背信的悪意者はもはや自由競争の枠外の者であるから「第三者」にはあたらない。

 よって、Dが背信的悪意者でない限り、Dは「第三者」にあたり、Dの反論が認められる。

(3)以上から、Dが背信的悪意者に当たらない限り、Cの請求は認められない。

以上

 

第2問 2枚目の最後

1、Bは保険売買契約(555条)に基づき75万円の代金請求をすることが考えられるところ、Aはこれをどのような方法で拒むことができるか。

2、Aは536条1項に基づき、反対給付の履行を拒むとして代金の支払いを拒むことができないか。

(1)「債務を履行することができなくなった」(356条1項)とは「債務の履行が契約その他債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能である」(412条の1第1項)ことをいう。

 本件売買契約に基づきBが負う債務の内容は、センターテーブル1つ、二人掛けソファ1つ、一人掛けソファ2つの4点をセットとする応接セット甲をAに引き渡すことである。そし応接セット甲は1935年にイタリアで製造されたアンティークであるところ、Aはそのような4点がセットとなっている甲を入手し、その4点を一体として利用しようと考えていたのである。そうすると、焼失してしまったのが1人掛けソファ2点のみであって、他の2点は消失を免れ汚損がなかったとしても、Aはその2点のみを譲り受け、一人掛けソファを他の家具を代替的に利用することでは本件売買契約を締結した目的を達成することができない。よって、Bの負うAに甲を引渡すという債務は全体として「債務の履行が契約その他債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能」な状態にあるといえ、「債務を履行することができなくなった」といえる。

(2)一人掛けソファ2点の引き渡しができなくなったのは、それを保存していたB所有の乙倉庫に隣接する他社所有の倉庫で発生した火災に伴う類焼による消失が原因であるから、「債務を履行することができなくなった」のは「当事者双方の責めに帰することができない事由」によるといえる(536条1項)。

(3)以上から、Aは536条1項に基づき代金支払いを拒むことができる。具体的には、「当事者双方の責めに帰することができない事由によって」「債務を履行することができなくなった」という要件を満たす場合に、債務の全体である75万円の支払いにつき、拒絶することができる。

3、Aは本件売買契約を解除(542条1項3号)することで、代金お支払いを拒絶することができないか。

(1)上記2(1)のとおり、Aが本件売買契約を締結した目的は、1935年にイタリアで製造された4点の家具を一体として利用することであるから、一人掛けソファ2点が焼失し、Aに引き渡すことができなくなった時点でAは本件売買契約を締結した目的を達成できなくなっているといえる。よって、「」(542条1項)といえ、Aは無催告で解除権を取得し、これを行使することができる。

(2)以上から、Aは解除権を行使することで本件売買契約を解除し、代金の支払いを免れることができる。具体的には、「」とき、解除権を取得し、これを行使することという要件を満たした場合に、債務の全体である75万円の支払いにつき、拒絶することができる。

4、Aは本件売買契約を一部解除(542条2項)することで、解除した部分の代金の支払いを免れることはできないか。

 (なんかこれ以降消えてたので気が向いたら追加しときます)

以上

神大ロー 2021年(令和3年)度入試 対策と感想

追記(12月14日):正規合格してました

 

神戸大ローを受けてきました。対策と感想について書きます。あくまで一個人の意見に過ぎませんのでご了承ください。

 

〈入試問題について〉

・傾向

 行政法を除き、阪大と同様に典型論点が出題されるので、典型論点の対策を徹底すべきです。また、とにかく時間が厳しいです。なので、阪大同様途中答案を作らないように気を付ける必要があるように思います。むしろ、上の2つができれば、現場思考を問われることもないので、これだけである程度得点が安定して相対的に浮上するのではないでしょうか。

 

 

・対策

総論

 ロー入試に向けては、300、重問、論証集、京阪神過去問、他大のロー過去問に取り組みました。

 神大過去問については、8月に民刑3年分の起案、10月以降に民刑憲商(2回目含む)3年分の起案、行政法の答案構成をしました。神大は出題趣旨がついていて、短いですがそれなりにちゃんと書いてあって一人でも過去問演習ができます。

 

科目ごと(今年の問題の感想は別の記事で書いています)

民法:代理出すぎ

会社法:機関みたいな、会社法のど真ん中みたいなの以外もでる。

刑法:説明問題がムズイ。脈絡なく熊撃ち行くのやめてほしい。

憲法判例べったりじゃなくて好き。でも対策は判例おさえるだけでOK

民訴:とくにイメージなし

刑訴:逮捕勾留とか、あんまり他のとこでは見かけない論点もしっかり出てる気がする

行政法:論点じゃないけど、誘導細かすぎて解けてしまう。

 

〈GPA〉

 2.8でしたが、神大は配点低いので気にしなくていいと思います。どっかと違って純粋に学力で殴り合いができます。

 

ステートメント

 阪大のために書いたものの文字数を調整しました。

 なんかお題があったと思うんですけど、それに沿って書きました。

 記憶では、法曹になってどうしたいか、部活動のの成績と経験で人間性を磨いたこと、民間就活(インターン)で評価されたこと、民間就職をしなかった理由、勉強始めてまだ浅いけどその分頑張ったこと、を書きました。まじで小学生の作文です。0てんかも。

 阪大に誤字だらけのやつを提出した後に誤字はやばいと聞いたので、誤字だけは気を付けました。

 書類点は低いので、ステートメントに時間をかけるくらいならテキトーに書いて勉強に時間を回そう、という脳筋マインドでいきました。

 

〈感想〉

 神大は一番最後だったことからも完全に京大で燃え尽きてしまって、京大→神大の一週間はほとんど勉強できませんでした。一番きつかったです。

 論証の暗記をすべきだったとは思います。

 神大プロパーの対策ではなく、阪大と京大の対策で神大の対策に代えたという印象です。

 

 

以上です!各科目の感想や再現答案は別途投稿します!

神大ロー 平成31年度 2020年度 憲法 答案

 

 

 

※注意

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答案の書き方で直した方がいいと思う点があれば指摘してください!

これは2020年10月7日に書いた答案です。

前のこと過ぎて忘れちゃってるんですけど、たしかどこか論理破綻してたはずです。最後に気が付いてもういいやって無理やり書き上げた記憶があります。

 

 

 

1、Xから、「憲法法の下の平等…ですか。」と質問された場合、以下のように答える。

2、(1)まず、Xと私立大学Yは双方私人である。

 私人間で憲法の適用が可能かが争われた最高裁判例がある。判例は、憲法はあくまでも私人対国家を規律するものであるから、私人間には適用できないとした。しかし、憲法がすべての法規の上位規範であることにかんがみれば、まったく適用を排除することも相当でないとし、民法90条のような一般条項を媒介として、その趣旨を織り込むべきであると判断した。

(2)そうすると、本件でもXは、本件入試は女性差別であり、憲法(以下、法名省略)14条1項の趣旨に反するとして、公序良俗違反であると主張することが考えられる。

3、(1)14条1項は一切の差別を禁止するものではなく、事柄の性質に応じた合理的な区別は許容する。よって、本件入試が14条1項に違反するといえるのは、合理的根拠のない差別的取扱いといえる場合である。具体的には区別の目的が合理的根拠を欠くか、区別の手段が目的と合理的関連性がないときは14条1項の趣旨に反するといえる。

(2)かつての事案で、同一の企業において、男女の定年が異なることが14条1項の「法の下の平等」に反するとして公序良俗違反でないかと争われた最高裁判例がある。被告は、従業員は加齢に伴い業務の生産性が変化するが、女性は男性従業員に比して生産性の向上がないとして合理的な区別であるとして争った。しかし、裁判所は、生産性については欠く従業員個々人によって異なるのであり、単純に性別で測ることはできないにもかかわらずこれを一律に性別で判断し、定年に差を設けることは、専ら女性であることのみを理由とした合理的根拠を欠く差別的取扱いであるとして、公序良俗違反であると判断した。

(3)これを参考に本件についてみると、Yは、本件入試が男女を区別せずに体力試験を課す理由は、①医師の仕事には体力が必要であること、②女性は出産や育児のため医師をやめることや、救急などの級の呼び出しを避けることから男性医師が必要であり、これらの合理的根拠があるから、14条1項の趣旨に反さず、公序良俗違反ではないと反論することが考えられる。

(4)Y市の反論は区別の目的に合理低根拠が存在するとの主張であると解されるが、たしかに女性は男性よりも生理的に力が劣ることは明らかであるから体力が必要な仕事については女性には困難であり、また、社会一般の認識に照らし、女性が出産・育児のため退職することも男性よりはあり得るのであり、人命の救護という国家の存続に欠くことのできない職業である医師の人数確保のためには男性医師が必要であるともいえる。上記判例と異なり、単に性別を理由とする差別ではなく、体力のある医師の人数確保という目的のもとの区別である。よって、目的に合理的根拠がないとまではいえない。

  手段について、目的達成のための合理的関連性の有無についてみると、男性と女性を区別しない体力試験を貸せば男性が有利なのは明らかである。しかし、上記の通り、医師が体力の要求される職業である以上、体力の有無という観点から試験の合否を判断するならば、男女を区別することなく、単に体力のあるものに高得点を与えることとすることにも合理性はある。他方で、医師には高度な知識が要求されるから、筆記試験も課されるところ、筆記試験合格に必要な知識については男女の差によって差がつきにくいといえる。また、男性と女性の平均点の差は10点にとどまり、合格者に占める男性の割合が70%にとどまることから、体力試験に過度に高得点が振られており、筆記試験においてもはや巻き返しが不可能なほどにまで不利な配点になっているとは考えられない。よって、男性と女性を区別せず体力試験を課すことも上記目的達成との間では合理的関連性を欠くとは言えない。

4、よって、本件入試は合理的な区別にとどまるものであり、14条1項の趣旨に反するものではないから、公序良俗違反とは言えず、憲法の保障する法の下の平等に反する女性差別とはいえないと考える。

以上

平成28年度 2016年度 司法予備試験 刑事訴訟法 感想

 

※注意

このブログは正しい答案、皆さんの参考になるような答案を投稿するものではなく、大した学力もないたただのロー受験生がどの程度の答案を作るのかを参考にしてもらうためのブログです。よって内容の正確性は全くないですし、どのように間違えたか、などの話をしています。

詳しくは最初の投稿へ⇒https://adc32104766.hatenablog.com/entry/2020/11/19/225344

 

答案の書き方で直した方がいいと思う点があれば指摘してください!

 

2020年11月19日 69分

第1問が再逮捕再勾留の可否

第2問が悪性格の立証など証拠能力です

 

どっちの論点も論点自体は典型論点なのであてはめでがっつり差がつくのでしょう。

予備試験が難しいのって、こういう問題でめっちゃ高いレベルの答案が求められるからなのでしょうか。

 

予備校が作った参考答案とか見てみると、身柄拘束期間の長さの違い、明文の有無から再逮捕と再勾留の可否は分けて検討すべき、って書いてて、初知りだったんですけど、実際再逮捕できて再勾留できない場合ってあるんか?特に試験上はそうじゃない?って思いました。どうなんですかね。

とりあえず僕は論証暗記大好きマンなので論証ペタッと貼って、できるだけじっくり考えてあてはめをしました。事実を拾って、それを評価する、を意識することがマイブームです。ちなみに答案用紙のオレンジが拾った事実、黄色が評価です。これええやんって思ってましたが次の起案の時には飽きました。

 

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