令和4年度司法試験を受けて

 

お久しぶりです。

令和4年度司法試験に合格したので合格体験記を書きます。

加藤ゼミナールの合格者の声↓にも合格体験記を掲載しています。

https://kato-seminar.jp/voice/106075/

 

目次

1、成績

2、使用した予備校

3、各科目の感想

 

 

1、成績(かっこ内は予想)

総合  962.08点 309位

論文  472.04点 308位

公法系 102.00点(B A) (C C)

民事系 184.21点(A A A) (A A B)

刑事系 126.44点(A A) (C A)

労働法 59.38点(58点)

 

 

2、使用した予備校

予備論文まではアガルート、予備論文受験後司法試験対策から加藤ゼミナールを併用しました。

 

予備論文対策

 

 予備試験合格についてはアガルートの重要問題習得講座の寄与が大きいです。

 重要問題習得講座は、典型論点網羅を目的とした短文事例問題集です。これ一冊で予備試験出題論点の範囲についてはカバーできているといっても過言ではないと思います。例えば、過去に出題され話題となった公害防止協定、一事不再理効が及ぶ範囲という論点についても短文事例が用意されており、これを使って対策していればホームラン答案を書くことができていたと言えます。

 そのため、出題範囲については重要問題取得講座でカバーでき、あとは各論点に値する理解をより深めることや、実際に理解を答案に示すことができるようアウトプットの能力を磨くことに注力すれば足りると考えます。

 また、予備論文は、試験時間の短さや、司法試験に比べて受験資格が簡単に獲得できることから、司法試験よりも受験者のレベルが低く、触れるべき論点に触れるだけでも合格することができるように感じます。そうすると、上述の論点に対する理解やアウトプットの能力も重要ですが、合否との関係では出題論点を知っていることが大きく影響すると考えます。このことからも、重要問題習得講座は予備試験合格との関係においてかなり有効な教材といえます。

 ちなみに同じ理由からロー入試にもかなり役立ちました。

 

 

司法試験対策

 

 司法試験の過去問を解き始める段階から加藤ゼミナールを併用しました。

 受講した講座は7科目の過去問講座、労働法のインプット講座(速習講座)、労働法過去問講座です。

 過去問講座の良かった点は各論点についての理解が深まること、到達すべき水準を設定できることです。

 司法試験の、予備論文との大きな違いは、典型論点を知っていることを示しただけでは得点が狙えないということです。このような違いは司法試験の問題は現場思考要素が強いことからもたらされます。つまり、典型論点は知っている前提で、その典型論点に似ているがすこし事情が違う今回はどうするか、を問われるのが司法試験なのです。

 司法試験の受験資格を持つのは予備試験合格者、ロースクール卒業生なので、予備試験受験生に比べてある程度法律の勉強が進んでいる人が多いはずです。そうすると、受験生はほとんど典型論点を知っているはずで、ここでは差がつきにくいです。このことから、現場思考問題が解けるようになる必要があります。

 そして、現場思考問題における規範は条文や制度の趣旨から導かれることが多いため、前提となる典型論点の処理の方針について、なぜそのような処理になるのか、条文や制度の趣旨と絡めて理解している必要があります。このことから、司法試験では、論点に対する深い理解が必要となるのです。

 再度の出題が多い司法試験では過去の出題論点の理解が重要であるところ、過去問講座では出題の趣旨や採点実感を示しつつ、必要であれば基本書等の文献を引用しながら論点を解説しています。そして、この解説を踏まえ作成された模範答案は講師曰く1~2桁の超上位合格レベルなので、司法試験合格との関係ではこの解説を聞くだけで十分です。私の知る限りほかでここまで順位を明確に意識して作成された模範答案が記載された教材はないので、再度同じ論点が出題されれば加藤ゼミナールを使っている受験生はホームラン答案でほかの受験生を出し抜くことができます。

 また、過去問講座に付属する総まくり論証集を参照すれば、出題論点の周辺論点も同時に確認することができ、より対策の穴をなくすことができます。

 

 また、答案の書き方は司法試験のみならず予備試験、ロー入試対策においてももっとも研究すべき点の一つです。司法試験は点取りゲームなので、やみくもではなくルールに従って答案を書く必要があります。しかし、答案の書き方については大学やロースクールではなかなか十分な指導を受けることができず、予備校でもアルバイトの学生が答案を作成していることなどから参考にしてよいのかわからないものがあります。

 これに対し、加藤ゼミナールの過去問講座の模範答案は司法試験に総合39位で合格した加藤喬先生が出題の趣旨、採点実感、基本書等文献を参照しながら、具体的に1~2桁レベルの答案として作成しています。そのため、到達すべき水準が明確になる上に、この答案を再現できれば合格に近づくと信頼することができます。また、各科目17回分の過去問の模範答案をすべて加藤先生が作成しているので、答案の癖のようなものが一貫されており、自分の書き方として落とし込みやすいです。

 たしかに先生が各資料を参照しながら作成した超上位合格答案を再現しようとすることは現実的でないかもしれません。しかし、センター試験(いまは共通一次試験)でもよくいわれるように、到達したいレベルではなくその少し上を目指して初めて目指していたレベルに到達できるのではないかと考えます。そのため、実際の目標が司法試験合格だったとしても、超上位答案を再現できるように努めることは決して無駄・無謀なものではありません。

 

 

3、各科目の感想については次の記事に続く…