阪大ロー2021年(令和3年)度入試 感想

大阪大学 ロー入試 2021

 

 

※注意

このブログは正しい答案、皆さんの参考になるような答案を投稿するものではなく、大した学力もないたただのロー受験生がどの程度の答案を作るのかを参考にしてもらうためのブログです。よって内容の正確性は全くないですし、どのように間違えたか、などの話をしています。

詳しくは最初の投稿へ⇒https://adc32104766.hatenablog.com/entry/2020/11/19/225344

 

 

 

12月2日加筆:正規合格してました、これについては下記。開示したら点数載せます。

5月31日加筆:開示をしたので得点を追加しました。別記事参照(阪大ロー入試の成績開示をしました。 - 六法は鈍器 (hatenablog.com)

 

〈傾向と対策について〉

総論

 阪大は京大(と神大)に比べて典型論点からの出題が多いように思います。なので短文事例問題集などをつかって典型論点を完璧にしておくのがいいです。

 また、神大と同様に時間が厳しめです。かつ、典型論点からの出題になるので、途中答案を作ると大きく差がつけられてしま(うと思)います。過去問演習を通じて時間の感覚をつかんでおくことが望ましいです。

 阪大対策で特に有効と感じた学習は、重問、論証の暗記です。

 

各科目について(今年については下記)

民法→重問(典型論点ってこと)。書き負けは避けたい。

刑法→時間厳しい、難易度は普通?

憲法→重問、みんなとってきそう。わりと何でも出る?

商法→重問、時間厳しい

刑訴法→絶対語句説明からやるべき。わからなくても六法の索引で探せば耐える。

民訴法→個人的に一番ムズイ。自分が苦手ってのもある。

行政法→重問

 

 

〈過去問演習について〉

 過去問は10月以降に民刑憲法商法の起案を4年分ほど、そのほかについては頭の中で答案構成をしました。出題趣旨がついていないので、友達と解答を共有したり、自主ゼミで取り扱ったりして解きました。

 過去問はAとBがありますが、基本気にせずどちらも解いていました。Bは時々細かいところも聞かれますが、Aはそんなことないので解けなくても気にしなくていいと思います。

 

〈今年の各教科について〉

 

自己評価→実際の点数

民法:△→80

刑法:〇→45

憲法:◎→35

商法:〇→36

刑訴:△→20

民訴:×→36

行政:△ →38

 

 

・民事法① 

民法

阪大の民法は2つの大問があり、大問1は短文事例問題、第2問がちょっと長めの事例問題です。

第1問はおそらく判例があるもの?が出題されているようなので判例をしっかり押さえていたら大丈夫だと思います。というか、論証集の論証を抑えておけば大丈夫です。阪大の民法は基本論点なので、他の人に書き負けないようにしておくといいと思います。過去問演習もそれほど必要ないような気がします。

 

今年は時間余るかなと思っていましたが、1時間20分くらいかかりました

第1問

 設問1

  ほんとにわからんかった。論点じゃなくて条文操作の問題でした。

  何かいたらいいかわからなかったのでとにかく細かく条文を示すように意識しました。条文書いとけば点数来るでしょうということで笑

  ①は536条1項、同時履行の抗弁は412条の2第1項のせいで無理

  ②は536と533?

  ③はほんとにわからなかった、雇用の条文準用でまだ報酬請求権発生していないとか?

 設問2

  ①併せて事項を主張する場合(187条1項)なので、前主の「所有の意思」(162条)が問題になるとしたうえで、これの判断要素になる

  ②併せて主張しない場合。185条で自主占有に転換するか、ということが問題になるとしたうえで、それの判断要素になる

 

第2問

 設問1

 債権譲渡が「払渡し又は引渡し」にあたるか

  ⇒あたらない、登記の前後で決する。

 

 設問2

 敷金契約から当然に生じる結果である

  論証ペタッとしときました

 

・刑事法

 なんといっても時間が厳しい。二つで90分なのでそれぞれ45分で解くことが求められます。刑法も刑訴法も分量が同じくらいなので、常に急ぎながら解くことが必要です。刑事法は時間の感覚をつかむためにも過去問を解いておいた方がいいと思います。

刑訴法の第二問は解答用紙にマス目があります。わからない単語が来ても、貸与六法(ポケット六法)のうしろの索引?みたいなところから探せば大丈夫です。

 

〈刑法〉

 シャクティ

 何年か前に神大でもシャクティ出てて、たまたま自主ゼミで解いてたので耐えました

 時間は43分かかりました。刑法のあてはめを無駄に書きすぎてしまう人なんですけど、甲の実行行為性で1枚弱くらい書いてしまって、あ、間に合わんってなりました。バランス悪し。

 甲⇒不作為殺人、219の共同正犯

 乙⇒219の共同正犯(218認めたうえで死亡の結果まで帰責できるとする)

 

刑事訴訟法

 まず第2問からときましょう。配点間違えたのかな??ってくらい第2問に配点あるので、事例問題は後回しです

 

第2問は今年は①は論証集の原則事前、例外着手後をペタッと、②は条文、③は何かいたらいいのか微妙だったので伝聞法則の話を書いときました。

 

第1問は、停止行為の可否と広義の現行犯逮捕

 前者はしっかり当てはめる。僕は適法にしました。相手が諦めてることを強調しました

 後者は、時間がなくてもう10行くらいで片付けました。まず追及がいったん病んでるから現行犯逮捕否定、準現行犯の検討。時間なさすぎて論証は3行とか、あてはめも書いただけって感じです。

 周りの人を見たら特に刑事法は間に合ってる人が少なかったのでとにかく途中答案にしないことを意識しました、阪大は相対評価ではなく絶対評価なのかなって感じなので

 

 

・民事法②

民事訴訟法〉

 やたらと既判力が出てるようなイメージですが、どうなんでしょう。それほど変な問題が出てる気はしないですが、民訴が苦手なのでちょっとよくわかりません。

 今年について

 第1問は二重起訴該当性。問題文的に学説と判例の対比をかくのかな?ぼくは判例しか書けませんでした

 第2問、これがほんとに謎。Yが頭おかしすぎて何言ってんのかわからなかったです。おまけに答案書いてる途中にそれに気が付いて、もういいやって思って論理破綻したまま終わらせました。なので第2問については本当に0点でもおかしくないと思います。

 

〈商法〉

 例年、第1問は事例問題、第2問は条文説明です。

 第1問はメジャーなものがでるようです。

 第2問はときどきよくわからんのもでますが、条文の趣旨から考えれば何とかなります。

 

 今年は答案用紙が配られた時!?ってなりました。解答欄刻みすぎやろ、って。

 『一人で学ぶ会社法』にほとんど同じような問題がありました。例年はけっこう論点論点なんで、びっくりしました。

 ①⇒条文操作、160条の場合かどうかで309条の適用が変わること?

 ②⇒160条3項2項会社法施行規則29条、実質的な剰余金配当、株主平等原則への配慮

 ③⇒条文あげてあてはめるだけ、161~165はかいときました。1、2、4だけでいいと思います。

 

 第二問

 ①会社の本質

 ②論点(主観的意図が必要かどうか)と絡めて書く、のが正解なんでしょうけどぼくは気づかず433条2項全体の趣旨から書く感じにしちゃいました

 

 

・公法系

 行政法はあまり勉強していなので傾向もよくわからないです。少なくとも原告適格と処分性と、総論の主要な話をおさえておけば大丈夫じゃないでしょうか。

 憲法は「判例を踏まえて」論ぜよ、という問題です。似たような判例を挙げて、事例のズレ(特殊性)を指摘する感じでしょうか。事例や判例自体はそれほど細かいものが出るわけではないです。13条や14条に限らず、いろんな範囲から出るイメージですが、神大や京大と比べて判例べったりぎみなので、判例をしっかり押さえておけば難しく感じることはないと思います。

 

憲法

 最初の科目でした。張り切りすぎて答案4枚目まで行っちゃいました。時間は48分とか

 京都府学連を参考に書く感じですね。基準覚えてないと相対的に減点されそう。

 最初は集会の自由とか、デモ行進かと思いましたが、問題文に写真撮影について、と書いてあるのでそこはスルーですね。あてはめの中で考慮すべきでしょう。僕は答案構成までして、書く直前で気が付きました。

 13条の問題はどのローでも出やすいので苦手ならまずいです。13、14は書けるようにしときたいです。

 

行政法

 ①⇒行手7条。書き方に困って非常に時間使いました。行政法って難しい。

 ②⇒原告適格。時間なかったので大してあてはめもせず、「個別的に保護しようとする趣旨は見いだせない」として否定しときました。被侵害法益の特定、不特定多数者の具体的利益として保護までは肯定して、です。

 

 

〈結果が出ての感想〉

 正直、典型論点には自信があったので、阪大については特別不安を感じずに受験をすることができました。答案を書いていて途中で面倒になり雑な答案を書いてしまうこともありましたが、すこしくらいなら大丈夫ということでしょう。途中答案もなかったので受験後の精神状態もそれほど悪いものではなかったです。

 ステートメント(自己評価書)については本当に書くのが苦手で、ひらがなだらけの小学生の作文みたいなのを提出しました。提出の直前で誤字があることに気が付きましたが、そのまま提出しました。ステートメントは誤字には気を付けたほうがいいと後から聞いて絶望しました。